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色留袖と付け下げの違いとは?それぞれの格についてもご紹介!

2022/08/18

着物マメ知識

色留袖と付け下げのそれぞれの特徴についてご存じでしょうか?
また、訪問着などと、さまざまな種類が!
それぞれの特徴や違いを把握し、和装の幅を広げましょう!
ぜひ、参考にしてください。

 

色留袖と付け下げの違いを解説!

留袖と訪問着と付け下げの違いについてご存じでしょうか?
留袖と訪問着と付け下げを同じに捉えている方も多いですが、いくつかの違いがあり、それぞれに適した状況や年齢も考えられますよね!
そこで、ここではそんな留袖と訪問着と付け下げの違いについて詳しく解説するので、ぜひ参考にどうぞ!

 

留袖

留袖の歴史は非常に古く、元々は身八つ口のない袖の着物のことを留袖と呼んでいました。
江戸時代には、乾坤すると振袖の振りを短く裁断し、身八つ口を縫い留めるという風習がありました。
この行動を留袖と呼んでいたことから、既婚女性のみの礼装となりました。

現在の留袖は、江戸時代の芸者の中で流行した江戸妻と呼ばれる模様が下半身部にのみ施されている着物を指し、昔とは異なる点が。
そのため、下半身部のみに模様があり、上半身部に模様がないものを留袖といい、留袖の特徴となるのだ。

 

訪問着

訪問着は、明治時代に外国文化が日本に入るようになってから生まれたもので、外国の女性が着用するビジティングドレスから、訪問着が作られました。
その当時、裕福な女性は着物を作る際に、反物をオーダーメイドで仮仕立てした後に、着物全体が繋がるように染めたり刺繍したりしていました。

このように非常に手の込んだものを訪問着と呼び、訪問着の定義となりました。
本来は、上記のようにデザインの段階から着用する女性に合わせて作られていましたが、近年では、染め上がった仮仕立て状態が訪問着となっています。

訪問着の特徴としては、留袖とは異なり、上半身部にも模様が施されていることが挙げられ、その模様も、袖や衿から胸元、肩から背中までなど大きな模様となっている。

 

付け下げ

付け下げは、訪問着よりもかなり歴史が浅いものなのである。
訪問着は、上記で述べた通り、非常に手の込んだもので、時間が必要。
このことから時間を要さず、仮仕立てせずともバランスの良い反物の模様が施されるように作られた着物のことを指す。

本来は、訪問着よりも格下と評されていたのですが、柄が鮮やかで紋章の有無によっては訪問着と同格として着用可能に。

付け下げの柄は、続いているように見えますが、よく見ると衿と見頃の柄が続いていないのが特徴的。

□付け下げと訪問着の格の違いを解説!

訪問着と付け下げは2つとも、礼装の黒留袖、色留袖の次に準礼装として位置付けられている。
準礼装はセミフォーマルとも呼ばれ、かしこまり過ぎたくないが上品さを醸し出したい状況などに適している。

また、付け下げと訪問着は、準礼装の中でも訪問着、付け下げの順に格が高く、付け下げは準礼装の中でもおしゃれ着感が強いため、歌舞伎やオペラなどの観劇にも相応しいでしょう。
訪問着と付け下げはどちらも、準礼装なので、帯は袋帯を合わせるのが基本!
ただし、行く場所や状況に応じては帯の格で雰囲気をフォーマルにもカジュアルにも対応可能!

帯1つで、格を自由に変えられるのは魅力的ですよね!

 

初めての着物で付け下げが選ばれる理由について解説!

1つ目の理由は、付け下げは色無地と訪問着の利点を兼ね備えていること。
付け下げは、柄付けの特徴であるあっさりとした印象を与え、色無地と同様の効果を持たせるのにピッタリ!
また、あっさりとしている中でも控えめながら模様があしらわれており、まさに訪問着を着用したいシーンにも最適!
色無地と訪問着をどちらも所持することを考えると、付け下げ一つでその2つの場面に対応できるため、収納スペースも最小限で済みますね!

2つ目の理由は、付け下げであれば幅広いシーンで着用可能であること。
前述した通り、付け下げは色無地のあっさり感があり、また、訪問着のように控えめな華やかさを兼ね備えているため、フォーマルなシーンからカジュアルなシーンにもピッタリ!
状況に応じて着分け可能なのも良い!

3つ目の理由は、付け下げはコストパフォーマンス面で良いということ。
付け下げは、訪問着とは異なり、反物の状態で染色作業を行うため、作業工程が簡略化されており、レンタルする場合と比較しても、充分に手の届く範囲であるため、おすすめ!

4つ目の理由は、付け下げは年齢を問わないということ。
付け下げ魅力はなんと言っても飽きにくいあっさりとした柄付けでしょう。
古典柄であることにより、流行り廃りする心配もありません。

 

まとめ

今回は、訪問着と色留袖と付け下げの違いやそれぞれの特徴について解説しました。
着物は近年着る機会が少ない傾向にありますが・・ここで改めてさまざまな着物の種類や特徴について理解することで、和装の魅力が分かるでしょう!
ぜひ、今回の記事を参考にしてみてはいかがでしょうか。

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